柱は四角じゃなくてもいい⁉~変わり種柱の世界~

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

「柱=四角」は常識…じゃなかった⁉

建築といえば「柱」、そして柱といえば「四角い角材」というイメージ、ありませんか?

でも実はこの”柱=四角”というイメージ、必ずしも常識じゃないんです。日本の伝統建築から現代建築まで、「丸い柱」や「六角形」、果ては「ねじれた柱」まで、様々な形の柱が存在します。

今回は、そんな”変わり種柱”の世界を、建築の視点からちょっと面白くのぞいてみましょう。

■ なぜ柱は四角が主流なのか?

まずは、なぜ四角柱が一般的なのかを簡単に整理してみましょう。

1. 加工がしやすい

四角柱は制作しやすく、プレカット工場での加工や、大工さんが墨付け・仕口加工するにも便利。角を基準にして正確な直角や位置を測れるので、構造制度が高くなります。

2.接合がシンプル

四角柱だと梁や桁、筋交い、間柱などを面でしっかり接合できます。角があることで、金物の取付位置も決めやすく、耐震性の確保にも有利です。

■ でも「丸柱」って昔からあるよね?

実は、丸柱は日本建築において非常に伝統的な存在です。

代表例:法隆寺の丸柱

奈良の法隆寺や薬師寺など、飛鳥~奈良時代の社寺建築では、エンタシス(膨らみ)のある丸柱が建てられます。

エンタシスとは:柱の中心部分をやや太らせて、遠近法でスラっと見せる古代ギリシャ建築の技法。

※エンタシスについてはもっと詳しく知りたい方は、古代ギリシャの柱は真っ直ぐじゃない!?~エンタンスに秘められた美と知識~にて詳しく説明していますので、興味のある方はぜひ読んでください

これは実用性より美しさ・荘厳さを演出するため。力強く、かつ柔らかい印象を与えるんです。

■ 丸柱のメリット・デメリット

・メリット

①美しい見た目(和風モダンにも)

②柔らかい印象で空気が優しくなる

③耐久性は基本的に四角と同等

・デメリット

①加工・施工が難しい(墨付けや接合が面倒)

②接合部の処理が複雑になる(面がないため)

③材料のロスが大きくなりやすい

■ 実在する「変わり種柱」いろいろ!

ここからは、実際に使われているちょっと珍しい柱の形状を紹介します。

・丸柱

・先述の通り、和風建築や社寺、数寄屋造りで多用。

・最近では、モダン住宅の玄関ポーチに使われることも。

・六角柱・八角柱

※オロス・オペラハウス 六角柱写真

※八王山 徳正寺 八角柱写真

・社寺建築や茶室で見られる、伝統技術のひとつ。

・面が多くなることで日の当たり方が変化し、美しい陰影ができる。

・三角柱(超レア)

・デザイン住宅で使われることがあるが、構造的には不安定なため装飾的要素が強い。

■ ねじり柱(捻柱)

・材をねじるように削った柱。古民家風のリフォームやオーダー家具で使われる。

・職人技が光る、手仕事の極み!

■ 構造材として使えるの?

「見た目はいいけど、ちゃんと家を支えられるの?」そんな疑問もあると思いますが、答えは「はい、条件次第でOK」です。

■ まとめ 柱の形は自由でいい!

「柱は四角じゃなきゃいけない」なんて決まりはどこにもありません。むしろ柱の形を変えることで、空間の印象がガラッと変わることもあります。

強度・施工例のバランスをとりながら、ちょっとの個性的な柱を選ぶのも建築の楽しみのひとつ。

あなたの家にも、”変わり種柱”を取り入れてみませんか?

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