ミラノ大聖堂の建築~600年の時を刻む”石の芸術”~

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

イタリア・ミラノの中心に立つ**ミラノ大聖堂**は、世界最大級のゴシック建築として知られています。

その壮麗な姿には、建築技術・芸術性・信仰のすべてが込められており、完成までに、およそ600年という長い時間がかかったことでも有名です。

今回は、そんなミラノ大聖堂の建築的な魅力や歴史を、ご紹介いたします。

■建築の始まりと背景

ミラノ大聖堂の建設が始まったのは、1386年。当時のミラノ公ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティによって、「ミラノの力と信仰を象徴する建物を」との思いから計画されました。

設計にはフランスやドイツ、イタリアの様式が混ざり合い、様々な建築家や職人たちが交代しながら関わりました。そのため、”純粋なゴシック様式”ではない、独特な美しさが形づくられていったのです。

■とがった塔の無数の彫刻

ミラノ大聖堂の最も印象的な外観は、**天に向かって突き出した135本の尖塔(せんとう)**と、3400体以上の彫刻たちです。

それぞれの像には聖人や歴史上の人物、動物などが細かく彫られており、建物全体が**”石の物語”**のように感じられます。

屋根の最上部には、金色の「マドンニーナ像」(高さ4m)が立ち、ミラノの人々を見守っています。

■カンデリア大理石の美しさ

この大聖堂には、アルプス山脈のふもと・カンデリア村から採れる白い大理石が使われています。

石は特別な運がを使ってミラノまで運ばれ、透き通るような光沢と美しい色合いが、建物の重厚さに気品に与えています。

年月が経つごとに風合いを変えていくのも、この石の魅力のひとつです。

■内部の構造とステンドグラス

大聖堂の中に入ると、高さ45mにもなる天井が訪れる人を圧倒します。

柱の本数は52本あり、1本ごとに1週間を表しているとも言われています。

また、24mを超える巨大なステンドグラスは聖書の物語を描いており、**”光の絵巻物”**のように空間を彩ります。日差しによって色合いが変わるステンドグラスは、時間ごとに違う表情を見せてくれます。

■最後に

ミラノ大聖堂は、その壮大さや美しさだけでなく、建築という営みがいかに時代を超えて人々をつなげてきたかを感じさせてくれる存在です。

600年という時間は、ただの歴史ではなく、職人たちの情熱と工夫の積み重ねでできた「時間の彫刻」でもあります。

もし実際に訪れる機会があれば、「どんな想いでこの石を積んだのかな?」「この光はどんな物語を語っているのかな?」と想像しながら歩いてみてください。

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