古民家再生がもたらす未来

皆さんこんにちは!タナベ住建林です!

最近よく耳にする「古民家再生」という言葉。

しかし「そもそも古民家再生って何?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

昔ながらの住まいを活かしながら新しい命を吹き込むこの取り組みは、単なるリフォームや修繕とは少し違います。

ここからは、古民家再生の魅力や、そこから広がる未来について2回に分けてご紹介していきたいと思います。

■古民家再生って何?

古民家再生とは、昔ながらの日本家屋__いわゆる「古民家」を壊さずに、その歴史的価値や美しい趣を残しながら、現代の暮らしに合わせて改修・リフォームすることを言います

古民家再生は、単に古い建物を直すだけではありません。

それは、昔の人々の暮らしや文化、自然と共に生きる知恵を未来につなげる大切な取り組みです。

■なぜ古民家再生が必要なのか?

現代社会では、新しい家や建物がどんどん建てられていますが、その一方で地域の風景や文化が失われつつあります。

古民家は、その地域独特の気候や生活様式に合わせて作られているため、地元の環境に最も適した建築物でもあります。

■古民家の魅力と課題

古民家は、昔の職人が手間暇かけて作り上げた丈夫な木造建築で、貴重な木材や伝統的な技術が随所に使われています。

その独特の風合いや広々とした空間、四季を感じられるつくりは、現代の住宅にはない魅力です。

一方で、古民家には耐震性や断熱性、設備の面で現代の基準に合わないことが多く、そのまま住み続けるには、不便さもあります。

そこで、古民家再生では、建物の骨組みや趣を大切にしながら、断熱材の施工や耐震補強を行い、最新の設備も取り入れて蘇らせます。

次回は古民家のメリットなどを紹介していきたいと思います!

栗の木――暮らしを支える強さと温もり

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

今回は私たちの家づくりにも深く関わりのある「木」についてご紹介します。その中でも、昔から日本の暮らしを支えてきた木――栗の木。

実はこの栗の木、ただの木材ではなく「強さ」「耐久性」「温もり」という三拍子がそろった、とても魅力的な木なんです。

■栗の木ってどんな木?

栗の木は、古くから日本の暮らしに寄り添ってきた木材のひとつです。堅くて丈夫で、水に強いという特徴があり、家づくりや家具づくりに重宝されてきました。

縄文時代の遺跡からも栗の木の柱が見つかっているほど、長い歴史を持っています。

■強さと耐久性

栗の木はタンニンを多く含み、腐りにくく、シロアリなどにも強いのが特徴です。

屋外の土台や橋脚にも使われてきたほどで、「永く使える木材」として信頼されています。

住宅の床材や柱に取り入れると、世代を超えて住み継ぐ家を支えてくれます。

■見た目の魅力

木目は力強く、色味は落ち着いた黄褐色から濃い茶色へと変化していきます。

年月を重ねるごとに味わい深い風合いになるので、家の中に温もりと落ち着きを与えてくれます。ナチュラルにもモダンにも馴染みやすく、経年美化を楽しめる木材です。

■暮らしに取り入れる栗の木

・床材:堅く傷がつきにくいので、子育て世帯やペットのいる家庭にもおすすめです。

・家具:テーブルや棚にすると、重厚感がありつつも素朴な雰囲気を演出。

・外部材:水に強い性質を活かし、玄関の土間や外部デッキに。

■栗の木とともにある家づくり

強さ」「温もり」「経年変化の美しさ」。

栗の木には、これからの暮らしを支え、家族の時間を刻んでいく魅力があります。

ちょっとした工夫で、自然素材の力を暮らしに取り入れると、毎日の何気ない瞬間がぐっと心地よく、豊かなものに変わっていきます。

福井が誇る石_笏谷石(しゃくだにいし)

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

福井の町を歩いていると、ふと目に入る青緑色の石。それこそが笏谷石です。

一見するとただの石に見えるかもせれませんが、実はこの石、千年以上も福井の歴史や文化を支えてきた特別な存在なのです。

■笏谷石ってどんな石?

福井県・足羽山で採れる笏谷石。見た目はほんのり青緑色で、どこか柔らかく優しい雰囲気を持つ石です。

実はこの石、約1200年前から人々の暮らしを支えてきた歴史ある存在です。”日本三大石材”のひとつにも数えられているんです。

■ 福井のまちを形づくった石

笏谷石は加工がしやすいことから、城の石垣、お寺の石仏、庭園の灯篭など、あらゆる場面で大活躍してきました。

福井城の石垣もそのひとつ。まさに福井のまち並みをつくりあげた“縁の下の力持ち”と言えます。

■ 時間がつくるアンティークな美しさ

ひとつだけ弱点があるとすれば、風化しやすいこと。

でも、それは見方を変えれば大きな魅力。年月を重ねるごとに角がやわらぎ、表情が深まっていくのです。

まるで人のシワが味わいになるように、笏谷石も“時をまとった美しさ”を見せてくれます。

■ 今も息づく、福井の文化財

現在では、文化財の修復や保存に使われることも多く、福井の歴史を語るうえで欠かせない存在になっています。

福井を歩くときは、ぜひお寺や古い石垣をじっくり見てみてください。きっとそこに、千年の時を超えて息づく笏谷石の姿を見つけられるはずです。

ちなみに、ここタナベ住建の事務所にも、地元・福井県で生まれた「笏谷石」が使われています。

ぜひ見てみてください!

日本の瓦の種類_赤瓦が映す日本の美

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です。

日本の家の屋根といえば、やはり「瓦」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

古くから使われてきた瓦は、単なる屋根材ではなく、風土や文化、そして地域ごとの個性を映し出す大切な存在です。

その中でも特に印象的なのが、鮮やかな「赤瓦」。

今回は日本の瓦について紹介しながら、赤瓦の魅力を掘り下げていきます。

■瓦の代表的な種類

■黒瓦(いぶし瓦)

もっとも一般的で全国的に広く使われているのが、いぶし銀のように輝く黒瓦。

粘土を高温で焼き上げた後、燻化(くんか)することで独特の色合いが生まれます。

■白瓦

白い瓦は数こそ少ないものの、上品で清楚な印象を与えます。

かつては格式の高さを示す屋根材として、一部の地域や歴史的建築に使われてきました。

■赤瓦(越前赤瓦)

赤瓦と聞くと、沖縄の鮮やかな朱色を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、実は福井県でも鉄分を多く含む土を使った赤瓦が作られてきました。

こちらは落ち着いた赤茶色で、雪の白い背景に映えるのが特徴です。

同じ赤瓦でも、南国では太陽に、北国では雪に映える――。

地域によって表情を変えるのも、日本瓦ならではの魅力です。

ちなみに、ここタナベ住建の事務所の屋根にも、地元・福井県で生まれた「越前赤瓦」か使われています。

落ち着いた赤茶色の瓦は、雪国の風景によく馴染み、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。身近な場所に越前の伝統が息づいていることを実感できるのも、赤瓦ならではの魅力です。

■まとめ

日本の瓦には黒・白・赤といった種類があり、それぞれの地域や文化に根付いてきました。その中でも、赤瓦は、ただの屋根材ではなく「土地の象徴」。

自然と共存し、人々を守り、美しい景観を作り上げてきた存在です。

赤瓦を見かけたら、ぜひ立ち止まって、その背景にある歴史や風土を感じてみてください

きっと、屋根一つからでも「日本の多様な美しさ」を発見できるはずです。

形もこんなに!内装用タイルの種類

タイルは、ただの装飾にとどまらず、空間に個性を与える大事な要素です。最近では、さまざまな形やデザインが登場し、どんなインテリアにもフィットするタイルが見つかります。今回は、内装に使えるユニークな形状のタイルを紹介し、それぞれの特徴を深掘りしてみましょう。

■正方形タイル(スクエアタイル)

最もシンプルでオーソドックスな形がこの正方形タイル。サイズや色を変えることで、空間にさまざまな表情を与えることができます。床や壁、キッチンのバックボード、バスルーム、玄関など、どんな場所でも使いやすいのが特徴です。

ポイント: シンプルでありながら、配置の仕方やグラデーションの使い方で、モダンにもクラシックにも仕上げることができます。

■長方形タイル(レクタングルタイル)

縦長、または横長の長方形タイルは、すっきりとしたシャープな印象を与え、現代的でスタイリッシュな空間を作り出します。縦横の並べ方を変えることで、空間に広がりを持たせたり、縦のラインを強調して高さを感じさせたりすることができます。

ポイント: 縦に並べることで高さを強調したり、横に並べることで空間を広く見せたりでき、用途に合わせたデザインが可能です。

■六角形タイル(ヘキサゴンタイル)

六角形タイルは、そのユニークな形状で空間に個性的なアクセントを与えます。特にモザイク風に配置すれば、アート感が高く、視覚的に面白い効果を生み出すことができます。細かな模様やカラーで自由にアレンジできるのが魅力です。

ポイント: 異なるカラーや素材を組み合わせることで、独創的な模様を作り出せ、空間に遊び心をプラスします。

■モザイクタイル

小さなタイルを組み合わせて模様を作り出すモザイクタイルは、細部にまでこだわりたい方にぴったり。色を変えたり、形を変えたりすることで、非常に多彩なデザインが可能です。キッチンやバスルームのアクセントにもおすすめです。

ポイント: 配置やカラーの選び方次第で、非常に多様なデザインが可能。繊細なデザインで、空間に華やかさと個性を与えることができます。

■円形タイル(サークルタイル)

円形タイルは、他の形状に比べて非常に個性的で、柔らかさと遊び心を感じさせます。空間の一部に取り入れるだけで、温かみのある優しい印象を与えることができます。小さな面積に使うことで、ちょっとしたアクセントにもなります。

ポイント: 丸い形が空間に柔らかさと優しさを加え、リラックスできる空間を作り出します。

■リーフ・テクスチャタイル

自然のモチーフを取り入れたリーフタイルは、ナチュラルで温かみのある空間を作りたいときに最適です。葉っぱの形を模したテクスチャーが空間に深みを与え、自然素材のような優しい雰囲気を作り出します。

ポイント: 自然を感じさせるデザインで、リラックスした空間作りにぴったり。どんなインテリアにも合わせやすい柔らかいデザインが特徴です。

■まとめ

内装用タイルには、形状やデザインによって無限の可能性があります。正方形や長方形といったシンプルな形から、六角形や円形のユニークなデザインまで、それぞれのタイルが持つ特徴を活かすことで、空間に個性を加えることができます。

シンプルで使いやすいタイル: 正方形タイルや長方形タイルは、どんな空間にも馴染みやすく、モダンにもクラシックにも変幻自在。

個性を引き立てるタイル: 六角形やモザイクタイルは、自由なデザインを楽しむことができ、空間にアート感を加えることができます。

洗練された印象を作るタイル: 大判タイルやタブレットタイルは、広い面積をカバーし、シンプルでありながらスタイリッシュな空間を演出します。

優しさと温かみを与えるタイル: 楕円形タイルや円形タイル、リーフ・テクスチャタイルは、柔らかなラインや自然な模様で、リラックス感のある空間作りをサポートします。

自分の空間に最適なタイルを選ぶことが、インテリアの印象を大きく変え、使い勝手やデザイン性を兼ね備えた空間作りに繋がります。タイル選びは、見た目の美しさだけでなく、機能性や配置方法を考慮することが大切です。

さあ、あなたも理想の空間を作るために、タイルの形状やデザインを選んで、個性溢れる内装を楽しんでください!

京都で”目が合う”衝撃建築

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

神社仏閣の静けさが漂う京都の街並みに、まさか”こんな顔”があるなんて__

コンクリートでできた「顔の家」は、笑っているのか、驚いているのか、それとも何か語りかけているのか。

今回はその”びっくり顔”の秘密について紹介していこうと思います!

■「顔の家」とは?

京都市中京区の細い通りに突如現れる、巨大な”顔”

丸い目は直径2m近い丸窓、鼻は円柱を切ったような張り出し、そして大きく開いた口がそのまま玄関_まるで建物そのものが「えっ!?」と驚いているかのようなファザードです。

1974年竣工から半世紀、今もインパクトは色褪せません。

■どこにあるの?

住所は京都市中京区衣棚通二条上ル堅大恩寺町740-11。京都御所の南側、地下鉄「丸太町」駅や「鳥丸御池」駅から徒歩10分ほど。観光コースというより住宅街の路地なので、ふと現れる”顔”に不意打ちで驚かされます。

■パーツ解剖:驚き顔はこう出来ている

目:2枚の丸窓 機能:採光・通風 見どころ:まぶたの厚みまで表現

鼻:直立円筒+換気孔 機能:ダクト・排気 見どころ:「鼻の穴もしっかり開口」

口:アーチ開口部 機能:玄関&店舗入口 見どころ:夜はライトで”開口笑顔”に

設計図に「驚き顔」書いたわけではなく、あくまで機能をレイアウトした結果が”顔”に見える__ここが面白さの核心です。

■訪れる前にチェック✅

・撮影マナー:前面道路は狭めなので、短時間で撮り、通行の妨げにならないように。

・ライトアップ:夜間は周辺が暗いので、昼訪問がおすすめです。また夕方の逆光シルエットも”びっくりどMAX”

・周辺散策:京都国際マンガミュージアムや鳥丸御池界隈の町家カフェとセットで巡ると、小さな建築旅が完成します。

■まとめ

「顔の家」は、

・ユーモアX機能美が合体した希少な昭和モダン建築

・半世紀を経て 地域に溶け込みつつも街行く人を驚かせ続けるランドマーク

京都の神社仏閣巡りに疲れたら、路地奥で”びっくり顔”と目を合わせてみてください。

建築が放つ遊び心に、思わずこちらまで笑顔になるはずです!

木の家って古くさい?――実は最先端すぎる”木造住宅”の話

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

「木の家って、なんか地味じゃない?」「どうせ昔ながらの和風でしょ?」そんなふうに思っていた方実はちょっと損しているかも

なぜなら今、木造建築は進化系オシャレハウスとして注目されているからです。

しかも、見た目だけではなく「性能」「コスパ」「心地よさ」まで全部レベルアップ中!

今回は「木の家って正直どうなの?」というところに注目してお話したいと思います!

■木の家の見た目

木造住宅の内装はとてもオシャレ。無垢の床材、節ありの梁、自然素材の塗り壁…。SNSでバズっている家のほとんどが「木」を使っています。

実際、木造住宅は間取りやデザインの自由度が高いんです。

吹き抜けも、土間も、スキップフロアもできます。

「木の家=古い」ではなく、むしろ「木の家=映える」時代です。

■実はとてもハイスペック

見た目だけではありません。木はかなり賢い素材なんです。

たとえば、調湿作用。湿気が多いと水分を吸い、乾燥すると吐きだす。エアコンや加湿器に頼らなくても、室内の空気が自然と整うんです。

さらに、木は断熱性が高いため冬は足元が冷えにくく、夏は熱がこもりにくい。素足で歩いた時の”ぬくもり感”、これはコンクリートでは味わえません。

■木造住宅のメリット・デメリット

ここで気になる「メリット・デメリット」も紹介します。

■メリット

・建築コストが比較的安い

・調湿効果で室内快適!(夏:ジメジメしにくい 冬;カラカラしない)

・工期が短く、住み始めが早い

・間取りの自由度が高く、リフォームしやすい

・木の香りや温もりで癒し効果も◎

■デメリット

・耐火性が低め(ただし、準耐火構造などでカバー可能)

・シロアリなどの害虫に注意(防蟻処理&点検で対策を!)

・防音性は鉄骨に劣る(床や壁の防音施工で改善できる)

・揺れやすく感じることもある(しかし構造的には耐震性あり)

■まとめ

木造住宅って、オシャレでやさしくて、自由で、住みやすい。

また最近は、耐震や耐火の性能もアップしているので、弱点もどんどん克服されています。

「なんとなくRCの方が安心そう…」と思っている方も、「とりあえずハウスメーカーでと考えていた方も、一度”木の家”を見てみてください!

むしろハマるかもしれません

🗼東京タワーは何色?実はちゃんと名前がある!

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

日本のシンボルのひとつ、東京タワー。

真っ赤な鉄骨が青空に映えるその姿は、多くの人の記憶に残るランドマークです。

そんな東京タワー実はあの「赤と白」のカラーには色の正式な名称があるということを知っていましたか?

今回は、**東京タワーの意外な”色の正体**に迫ってみましょう。

■赤じゃない!?実は正式な色の名称がある!

一般的には「赤いタワー」呼ばれる東京タワー。でも実はこの赤に見える色は、「インターナショナルオレンジ」という正式な名称があるんです。

ただこの色、ただのおしゃれな色ではありません。実は航空法に基づく規定色なのです。

■なんでその色なの?

航空法では、高さ60mを超える建築物には、飛行機から視認しやすいように「航空障害標識」の設置が義務づけられています。

この標識には「昼間障害標識」と「夜間障害標識」があり、東京タワーはその両方を満たす必要があります。

昼間障害標識として使われているのが、あの白とインターナショナルオレンジの塗り分けなんです。

この色の組み合わせは、視認性が非常に高く、世界的にも共通の警告色とされていて、飛行機から見ても目立つように設計されています。

つまり、東京タワーのカラーリングはデザインではなく、「空の安全のため」だったのですね!

■まとめ

赤に見えるけどオレンジ!?その秘密を知ると…

普段は何気に見上げていた東京タワーも、「この色には意味がある」と知ると、ちょっと見え方が変わりますよね。

ただ美しいだけじゃない、安全のために考え抜かれた”色”の話。

次に東京タワーを見かけたときは「それインターナショナルオレンジなんだよ」と、ちょっと誰かに自慢してみては?

ミラノ大聖堂の建築~600年の時を刻む”石の芸術”~

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

イタリア・ミラノの中心に立つ**ミラノ大聖堂**は、世界最大級のゴシック建築として知られています。

その壮麗な姿には、建築技術・芸術性・信仰のすべてが込められており、完成までに、およそ600年という長い時間がかかったことでも有名です。

今回は、そんなミラノ大聖堂の建築的な魅力や歴史を、ご紹介いたします。

■建築の始まりと背景

ミラノ大聖堂の建設が始まったのは、1386年。当時のミラノ公ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティによって、「ミラノの力と信仰を象徴する建物を」との思いから計画されました。

設計にはフランスやドイツ、イタリアの様式が混ざり合い、様々な建築家や職人たちが交代しながら関わりました。そのため、”純粋なゴシック様式”ではない、独特な美しさが形づくられていったのです。

■とがった塔の無数の彫刻

ミラノ大聖堂の最も印象的な外観は、**天に向かって突き出した135本の尖塔(せんとう)**と、3400体以上の彫刻たちです。

それぞれの像には聖人や歴史上の人物、動物などが細かく彫られており、建物全体が**”石の物語”**のように感じられます。

屋根の最上部には、金色の「マドンニーナ像」(高さ4m)が立ち、ミラノの人々を見守っています。

■カンデリア大理石の美しさ

この大聖堂には、アルプス山脈のふもと・カンデリア村から採れる白い大理石が使われています。

石は特別な運がを使ってミラノまで運ばれ、透き通るような光沢と美しい色合いが、建物の重厚さに気品に与えています。

年月が経つごとに風合いを変えていくのも、この石の魅力のひとつです。

■内部の構造とステンドグラス

大聖堂の中に入ると、高さ45mにもなる天井が訪れる人を圧倒します。

柱の本数は52本あり、1本ごとに1週間を表しているとも言われています。

また、24mを超える巨大なステンドグラスは聖書の物語を描いており、**”光の絵巻物”**のように空間を彩ります。日差しによって色合いが変わるステンドグラスは、時間ごとに違う表情を見せてくれます。

■最後に

ミラノ大聖堂は、その壮大さや美しさだけでなく、建築という営みがいかに時代を超えて人々をつなげてきたかを感じさせてくれる存在です。

600年という時間は、ただの歴史ではなく、職人たちの情熱と工夫の積み重ねでできた「時間の彫刻」でもあります。

もし実際に訪れる機会があれば、「どんな想いでこの石を積んだのかな?」「この光はどんな物語を語っているのかな?」と想像しながら歩いてみてください。

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