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「何もないのに、忘れられない建築」
2026.2.10皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!
皆さんには、忘れられない建築物はありますか。
特別に大きかったわけでも、派手だったわけでもないのに、なぜか記憶に残っている建築。
そこで今回は、何もないのに、忘れられない建築として知られるバルセロナ・パビリオンについて紹介します。
この建築が、なぜ今も多くの人を惹きつけているのかを、空間のつくり方や素材の使い方を通して見ていきます。
■どんな建築?

バルセロナ・パビリオンは、1929年に万国博覧会のためにつくられた建築です。
でも実は、中に展示物はほとんどありません。「じゃあ何を見せたかったのか?」それは、建築そのものです。設計したミース・ファン・デル・ローエは、「空間そのものが主役になる建築」をつくろうとしました。
■部屋がない建築?
この建築には、はっきりとした「部屋」がありません。
壁はありますが、すべてを囲っていないため、空間がゆるやかにつながっています。
歩くたびに「今どこにいるんだろう?」「さっき見えなかった景色が見える」そんな感覚を味わえる建築です。
■柱が細すぎる!?
屋根を支えているのは、驚くほど細い金属の柱です。
一見すると、本当に支えられているのか不安になるほどです。でも、この柱のおかげで空間は軽く、静かで、すっきりと感じられます。「柱は目立たなくていい」という、ミースの考えがよく表れています。
■壁なのに主役?
ここでは、壁がとても重要な役割を持っています。ただ仕切るための壁ではなく、視線を止めたり、導いたりするための壁です。
しかも素材は大理石。光が当たると、模様が浮かび上がり、何もしていないのに、ずっと見ていられる壁になっています。
■水があると、建築は変わる

パビリオンの外には水盤があります。水面に映る柱や壁は、本物なのか反射なのか分からなくなります。建築が二重に見えることで、空間は実際よりも広く、静かに感じられます。「水も建築の一部」だと気づかされる場所です。
■イスまで建築

中に置かれているバルセロナ・チェアは、あとから選ばれた家具ではありません。この建築のためにつくられた、専用のイスです。座る場所まで含めて、空間がデザインされています。
■なぜ今も語られるのか
バルセロナ・パビリオンは、もともと短期間で解体される建築でした。それでも「忘れられなかった」ため、後に復元されました。
たくさんの建物がある中で、何もないのに印象に残る建築。それが、バルセロナ・パビリオンです。