世界最小の家は「1㎡」⁉極限の空間が問いかける”暮らし”の本質

皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!

「家」と聞いて、あなたはどんな建物を思い浮かべますか?

広いリビング、日当りの良いキッチン、家族みんなが集まれるダイニング…。でも、そんな常識を覆すような、**”世界最小の家”**が存在します。

それが「ケレット・ハウス(keret House)」です。

なんと、床面積はわずか約1㎡(正確にはおよそ1.22㎡)。

日本の畳一畳どころか、立ったままでやっとのスペース。それでも、れっきとした「家」として人が住むために設計され、実際に使用されているのです。

■ ケレット・ハウスとは?

ケレット・ハウスは、ポーランド・ワルシャワにある超狭小住宅

設計したのはポーランドの建築家ヤコブ・シュチェスニー(Jakub Szczesny)。

2012年に完成し、現代アートや建築好きの間で世界的に注目されました。

この家の最大の特徴は、建物の幅が極端に狭いこと。最も狭い部分で92㎝、最も広いところでも152㎝。ちょうど、2つの建物の隙間に”無理やりはめ込んだ”ような形状をしています。

内部には、なんと

・ベッドスペース

・小さな作業台

・トイレ(シャワー付き)

・ミニキッチン

・照明とコンセント

など、一通りの生活機能が備えられています。

階段ではなく、はしごを使って上下階を移動する構造で、まさに”住むための最低限”を形にしたような空間です。

■ なぜこんなに狭い家をつくったのか?

この家が誕生した背景には、ただ「変わったものを作りたい」という話だけではありません。

ケレット・ハウスには、現代社会への問いかけが込められています。

建築家のヤコブ氏は、次のように語っています:

「都市には”使われていないスキマ”がたくさんある。それを活かすことで、新しい価値が生まれるのではないか。」

つまり、都市化が進む中で、「土地がない」と言われながらも、ほんのわずかな隙間が放置されている現実に目を向けたのです。

このプロジェクトは単なる実験話題性だけなく、**”都市の再活用”や”持続可能な暮らし”**を考えるきっかけとして発信されています。

■ ケレットさんって誰?

家の名前「ケレット・ハウス」は**イスラエル人の作家エトガル・ケレット(Etgar keret)**に由来します。彼自身がこの家の「最初の居住者」でした。

ケレット氏はこの家について、

「ここで過ごすと、自分に本当に必要なものが何なのかが見えてくる。」

と語っています。

極限まで削ぎ落された空間に身を置くことで、私たちが普段「当たり前」と思っているものが、実はそうではなかったと気づかされるのです。

■ 最小の家が教えてくれる、大きな価値

「たった1㎡の家なんて、住めるはずがない」そう思うのが普通です。でもケレット・ハウスはただの奇抜な建築ではありません。

・「暮らすとは何か?」

・「広さと快適さは比例するのか?」

・「都市空間を無駄にしていないか?」

・「もっと小さく、シンプルに生きられないのか?」

この家は、そうした本質的な問いを私たちに投げかけています。また、狭小住宅やコンパクトライフが注目される現代において、「ミニマルな暮らし方」の一つの象徴ともいえます。

■ まとめ:たった1㎡で変わる、住まいの価値観

ケレット・ハウスは、ただの”ネタ“ではありません。

それは、これからの住まいや都市のあり方、さらには私たちの「暮らし」そのものにまで影響を与える、建築の挑戦なのです。

建築というものが、単にモノを建てることではなく、「人がどう生きるか」をデザインする行為だということを、この家は静かに、けれど力強く伝えてくれます。

気になる人は、ぜひ「keret House」で画像検索してみてください。

その圧倒的な狭さと美しさに、きっと驚かされるはずです。

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