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古民家の“土壁”は最強のエコ素材
2025.11.1皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!
いま、私たちの暮らしは便利で快適になりました。けれどその一方で、自然との距離はどんどん遠ざかっています。
エアコンがなければ過ごせない夏。化学素材に囲まれた家。地球にやさしいと思える住まいは、どこへ行ってしまったのでしょうか。そんな現代にこそ、もう一度見直したいのが――古民家の「土壁(つちかべ)」です。
数百年のあいだ、日本の気候風土とともに生きてきた土壁は、自然と調和しながら人の暮らしを守り続けてきました。それは、未来の“エコ建築”が目指す理想の形でもあります。
■土壁とは ― 自然と共に呼吸する壁

土・藁・竹・砂・水。すべて身の回りにある素材だけで作られる、究極の自然素材の壁。古民家の土壁は、化学物質を一切使わず、自然の循環の中で生まれ、また土へと還っていきます。
■土壁のチカラ ― なぜ最強のエコ素材なのか?

① 呼吸する家
土壁は空気中の湿気を吸ったり吐いたりして、湿度を自然にコントロール。夏は涼しく、冬はあたたかく、エアコンに頼らない暮らしを実現します。
② 完全に循環する素材
土壁の原料はすべて自然から。壊してもゴミにならず、また地球に還る。サステナブル建築の原点が、ここにあります。
③ 耐火・防音・断熱性
厚みのある土壁は、火に強く、音を吸収し、断熱効果にも優れています。見た目の素朴さの裏に、驚くほどの機能が隠れています。
■職人の手が生む、時を刻む美しさ

土壁の表情は一つとして同じものがありません。塗り手の個性と、時間の流れがつくり出す味わい。ひび割れも、色の変化も、すべてが“生きている証”です。
人工ではつくれない、やさしさと温もり。それが、土壁の最大の魅力です。
■まとめ
いま、自然素材を取り入れた家づくりが見直されています。けれどそれは、新しい流行ではなく、昔からの日本の知恵の再発見。古民家の土壁が教えてくれるのは、「自然とともに暮らす」ことの豊かさなのかもしれません。