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日本の家の「ふすま」は実は“モンスター”だった!?
2026.1.15皆さんこんにちは!タナベ住建の林です!
今回はちょっと面白いけど「へぇ~」となるようなお話をお伝えしたいと思います!
日本の伝統的な住宅に欠かせない「ふすま」。その独特の形や機能は、今も多くの家で使われています。いわゆる“襖(ふすま)”は、部屋を仕切るための薄い引き戸のこと。紙や布が貼られた木枠でできていて、和室の風情を演出します。でも、実はこの「ふすま」、ただの仕切り板ではなく、昔は“モンスター”のような存在だったと言われているのです。今回は、その驚きの理由と背景に迫ってみましょう。
■ ふすまの歴史と基本構造
ふすまの歴史は平安時代にまでさかのぼり、当時は「障子(しょうじ)」や「襖障子(ふすましょうじ)」と呼ばれていました。現在のような紙や布を張った引き戸の形態は室町時代に確立されました。主に部屋の間仕切りや押入れの扉として使われ、簡単に開閉できる軽さと、柔らかな見た目が特徴です。
構造は非常にシンプル。木枠の骨組みに和紙や布を貼り、その表面に美しい絵や模様が描かれることも多いです。しかし、その軽さと柔らかさゆえに、防犯性は低く、隙間も多いため冬は寒く、夏は暑い、そんな欠点もあります。
■ ”もんすたー”としてのふすま

では、なぜ「ふすま」が“モンスター”と呼ばれることがあるのでしょうか?実は昔の日本の家には、妖怪や悪霊が入り込まないように、ふすまに関して様々な工夫や言い伝えがあったのです。
1. 隙間をなくす職人技術ふすまは単なる紙の扉ではありません。職人が木枠の歪みや壁との隙間を限りなくなくすために調整し、ぴったりはまるように作り込みます。この「隙間がないこと」は、妖怪や悪霊が忍び込むのを防ぐという信仰がありました。現代でも「ふすまの隙間から風が通るのは良くない」と言われるのは、その名残です。
2. ふすま紙の絵に込められた魔除けの意味ふすまの表面に描かれる絵には、単なる装飾以上の意味が込められていることがあります。特に有名なのは「松」「竹」「梅」などの縁起物や、龍や虎などの強い霊的な意味を持つ生き物のモチーフです。これらは家を守る魔除けとしての役割も担っていました。

3. ふすまを動かす音の効果ふすまを開け閉めする際の独特の擦れる音は、昔の人々には「悪霊を威嚇する音」としても捉えられていたそうです。静かな家の中でふすまを動かすときの音は、見えないものを追い払う魔除けのサインと信じられていました。
■ ふすまと「結界」の役割

日本の伝統的な家屋では、「結界(けっかい)」という考え方が重要でした。これは霊的な世界と人間の世界の境界線を意味し、悪霊や邪気が家の中に入ってこないようにするための仕組みです。
ふすまはこの結界を形作る重要な要素でした。部屋を区切ることで空間に境界を設け、悪いものが侵入できないようにしていたのです。薄くて軽いのに、まるで見えない壁のような働きを持っていたわけです。
■ 現代のふすま事情と変化
現代の日本の住宅事情は大きく変わりました。エアコンや暖房の普及により、ふすまの隙間はエネルギー効率の面で課題となり、住宅性能の向上に伴ってふすまを使わない家も増えています。また、洋風の間取りでは壁で部屋を区切ることが一般的です。
それでも、ふすまは和室の美しさや伝統文化の象徴として残っています。最近では、昔ながらの魔除け的な意味合いは薄れてきましたが、「ふすまの隙間をなくす技術」は現代の建具職人にも受け継がれています。
■ まとめ
「日本の家の『ふすま』は実は“モンスター”だった!?」という話は、単なる怪談や都市伝説ではなく、歴史的な信仰や職人技術、そして文化の積み重ねから生まれた面白いエピソードです。
ふすまは単なる間仕切りではなく、家を守る「結界」の役割を担っていました。妖怪や悪霊を寄せ付けないために作られた精巧な仕組みと、絵柄や音に込められた魔除けの意味。こうした伝統の中に、当時の人々の暮らしや信仰が垣間見えるのが魅力ですね。
現代の生活では見過ごされがちな「ふすま」ですが、その歴史と役割を知ると、ただの紙の扉以上に神秘的で強力な“モンスター”のように感じられるのではないでしょうか。